山口 浩司(Koji Yamaguchi) 福岡県出身。長年、福岡市内での生活を送っていたが、趣味である登山やキャンプを通じて南阿蘇の景観に魅了され、2024年7月に移住。地域おこし協力隊として「地域経営組織推進プロジェクト」に着任した。謎解きサイクリングイベント「サイクルトレジャー」をゼロから企画・手作り開発して好評を得ているほか、令和7年度には協力隊活動報告会「地域おこしん祭」の実行委員長も務めるなど、地域住民と観光客を繋ぐリーダーとして精力的に活動している。 Q. 南阿蘇村に移住したきっかけは何ですか? A. 福岡市に住んでいた頃から自然の中に身を置くことが大好きで、休日は妻と一緒に九州各地の山々を歩き、登山やキャンプを楽しんでいました。その中で出会った南阿蘇の圧倒的な景観に夫婦揃って心を奪われ、「いつかこの場所に住みたい」と強く願うようになったのが移住の決め手です。 実際に移住してからは、日々の業務の中で出会う新しい景色や、地域の方々の温かな人柄に触れ、私自身が絶えず新鮮な感動を味わっています。この村で暮らす喜びを日々実感しており、村への愛着は着任当初よりも一層深まっています。 Q. 現在のプロジェクトを選んだ理由を教えてください。 A. 私は移住者だからこそ、初めて訪れる方が何に感動し、どこに魅力を感じるのかを誰よりも同じ目線で理解できると考えています。その視点を活かし、村の素晴らしい資源を分かりやすく伝えていきたいと思い、このプロジェクトを選びました。 阿蘇の景観や食は素晴らしい一方、交通網や語学の壁で魅力を十分に楽しめない方もいらっしゃいます。私は今、英語学習に励みながら、一人ひとりに寄り添った案内を心掛けています。現状の不便さを諦めるのではなく、今の自分にできる対応で「南阿蘇の感動」を伝えていきたいです。 Q. これまでの活動で、特に印象に残っている挑戦は? A. 企画から全て一から手作りで開発した「サイクルトレジャー」の取り組みです。単なる移動手段としてのレンタサイクルにとどまらず、謎を解きながら田んぼ道を走り、地域の魅力を再発見してもらう仕組みを作りました。 これまでに50組以上の方に体験していただき、大変高い評価をいただいています。参加された方の笑顔や反響を直接感じられたことは大きな自信になりましたし、観光ガイド研修等での学びと組み合わせて多角的に村の魅力を発信していく手応えを得ることができました。 Q. 実行委員長として「活動報告会」も成功させたとお聞きしました。 A. はい、令和7年度の地域おこし協力隊活動報告会で実行委員長を務めました。今回は、南阿蘇村図書室「LOOP」を拠点とした「活動報告パネル展示」と、交流イベント「地域おこしん祭」を同時開催するという新しい形式に挑戦しました。 各隊員が自分のミッションを活かしたブースを展開した結果、目標を上回る約240名の方にご来場いただきました。アンケートでは9割以上の方から満足との声をいただき、「協力隊との距離が近くなった」という言葉をいただけたことが何よりの成果です。 Q. プライベートはどのように過ごされていますか? A. 趣味のDIYに没頭することが多いですね。最近ではご近所の方から依頼をいただいて、テーブルや棚を製作したりもしています。まだまだ技術的には素人の域を出ませんが、地域の方のお役に立てる時間はとても充実しています。 また、庭に薪ストーブを出してピザを焼いたりして楽しんでいます。都心にいた頃は焚き火などできる環境ではありませんでしたが、ここでは周囲を気にせず、火を囲む豊かな時間を過ごせるのが最高に贅沢ですね。移住のきっかけになった登山やキャンプも、すぐそばにフィールドがある環境で存分に満喫しています。 Q. 最後に、今後の目標や、これから南阿蘇に関わりたい人へのメッセージをお願いします。 A. 退任後は、協力隊期間中に取り組んできた英語学習や観光案内の経験を活かし、外国人観光客も含めたガイドを生業の一つにしたいと考えています。一人ひとりに寄り添った案内で「南阿蘇の感動」を世界に広めていきたいです。 南阿蘇村は挑戦している人が多い印象です。移住後の生業に不安がある方も、まずは協力隊から始めてみるのはいかがでしょうか。私も異業種からの転職で不安はありましたが、周りには「やってみたい」を形にする人が多く、一歩踏み出す勇気をくれます。ぜひ一度足を運んで、この場所でしか味わえない感動を肌で感じてみてください。